手作り乾物の効果 [ごぼう茶・ごぼうエキス]

あけましておめでとうございます。
今年も生活に役に立つ3つの「ととのえる」をお届けします。

毎年おせちを作りながら思うことは、
日本の食材の豊かさと、日本食の想像力と知恵の深さ。
一つ一つの材料を吟味しながら、命のつなぎ方を学びなおす
一年の締めくくりと始まりの年末年始。

今回は、ありえないハプニングが!
たたきごぼう失敗で作り直しに!
ごぼうについてとてもたくさん考えた大晦日でした。
ということで、今年はまずごぼうから。

ごぼうといえば、私にとってはごぼう茶。
ごぼう茶は日常に欠かせない薬用茶の一つです。
太陽の様子をうかがっては、
せっせと狭いベランダで干し続けています。

<干すことのメリット>

切干大根、干しシイタケ、高野豆腐、
寒天、干しイモ、干ぴょう、昆布、、

日本は干しものの宝庫です。

冷蔵庫がなかった昔の人達は
食べ物を太陽に干すことで
栄養価の高い保存食へと変化させ、
自然のエネルギーを効率よく
体に取り込んできました。

太陽に干す、という簡単な工程を経るだけで
今までになかった味わい、
風味、栄養素まで加わります。
まさに、
自然と人間の知恵の芸術です。

干すことで得られるメリットは
大きく3つあります。

1.水分が飛ばされ腐りにくくなる

2.ビタミン・ミネラル、食物繊維、
その他の栄養素が凝縮・合成される
 ※ 例えば切干大根では
食物繊維は16倍、
カルシウムは23倍と
いったデータもありました。

3.太陽のエネルギーが取り込まれ、
うまみと甘みが増す

外食、弁当、レトルト、添加物が多い
食事をとりがちな現代の私達にとって
ミネラル・ビタミン不足は
ホルモンバランスを崩し、
免疫力を下げてしまいます。

乾物はそんな私たちの食事に欠かせない
栄養を持っている天然サプリです。

日本の文化は本当によくできています。
新鮮な野菜が少なくなる冬に
特に乾物が活躍しますね。
サプリの前に乾物を!

<ごぼうを干す前のミニ知識>

ごぼうは何と言っても
食物繊維が多いことで有名なデトックス食材の一つ。

ごぼうの成分の中でもイヌリンという成分は
現代人にはとてもうれしい栄養素です。

イヌリンは水溶性の繊維質で、
フルクタンという果糖がたくさんつながった
多糖類のことだそうです。

そういえば良く噛むと、
ごぼうは甘い。
とくに
無農薬のものは味わいがあります。

食物繊維のイヌリンは
消化器で吸収されず
大腸に送られます。

大腸菌は繊維を餌にして成長・増殖します。
ということは、
腸内細菌を活発にしてくれる、
ということですね。
(腸内環境を整えると
便秘もなくなり、
免疫力もあがるという報告がたくさんあります。)

食物繊維は
血糖値の急上昇も調節してくれるので、
ごぼうはスイーツの中和にも大切な食材となります。

また、
多年草のごぼうは、
冬越しをするので、
冬の乾燥した大地から少ない水分を
吸収しなくてはなりません。
そのために
必要なのがこのイヌリンの力。

イヌリンを取ることで私たちも
冷えやむくみから
体を守ることができます。

玉ねぎ、
にんにく、
バナナ、
アスパラガス、
サツマイモにもイヌリンは
含まれているようです。

さて、
無農薬のごぼうが手に入ったら
アク抜きをせず
皮もまるとごいただきましょう。

ごぼうのアクはポリフェノールという
抗酸化物質で体の活性酸素を除去する成分です。
(細胞の老化を止める)

※食物繊維やポリフェノールは、
腸の環境を調え、
便通をよくし、
免疫力をあげることが報告されています。(2010)

このように抗酸化物質がたくさん含まれるごぼう。
腸内を調え、
血液をサラサラにし、
免疫力を高めてくれ、
いいことづくめです。

さらに天日乾燥したごぼうは
その栄養価が高まり、
効率よくその恵みを取ることが出来ます。

<自家製ごぼう茶を作ってみよう!>

用意するもの
・干しざる
・ごぼう(無農薬、有機栽培)
・フライパン(鉄のフライパンがお勧め)
・保存用の瓶

作り方
1.ごぼうをささがきか
ななめ千切りにし、

ざるにならべて天日干しする
(2~5日)。
雨の日は室内に入れて避難さす。

2.カラカラになったごぼうを
フライパンで炒る。
(弱火で20~30分、茶色が濃くなるまで)

3.水(500ml)に
ごぼう茶(大2←好みで濃さを調節)をいれ、
沸騰後、弱火で15~20分煮出す。
冷蔵庫で2,3日保存OK.

<ごぼう茶をアレンジしてみる>

ごぼう茶にハーブをミックスして
ハーブごぼう茶も美味です。

一日が終わって
スッキリしたいときはヒースを

疲れたときには
カモミール、カルダモン、クローブや生姜汁を加えたり、
しっかりとした飲みごたえあるものにしたいときには
シナモンをプラスしたり。
また、
隠し味として、
レモン汁やオレンジを数滴入れると
さわやかになり
脳の働きをアップさせてくれます。

加熱、焙煎すると
ごぼうの抗酸化能は
しない場合に比べて
さらにアップすることが報告されています。
(日本調理科学会で発表、2009)

天日乾燥と焙煎で抽出したごぼう茶、
想像以上に体を調える力があります。

いいごぼうが手に入ったら、
干してみたり、料理に使って
いろんな形で。
ごぼうの力を取り入れ、体を調えてみましょう♪

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