イラ立ちや怒りのような気持ちを感じずに過ごせたら、
ストレスのない楽な毎日がすごせるのに。
そう思ったことはありませんか?
私たちの毎日は(そして人生も!)
感情に大きく左右され、
大切な意思決定もこの感情に
委ねている状態です。
今日は
4つの基本的感情の一つ、
「怒り」の種類をもう少し詳しくみてみて
感情から自由になれる方法をさぐっていきます。
<5つも種類がある?!「怒り」を見分けてみよう>
苛立ち、腹立ち、憤怒、激怒、、、
一言に「怒り」といっても様々な表現があるように
「怒り」の感情にも種類があります。
どれも一緒?
のような印象をうけますが
よくよく見てみると
その根源は全く違っています。
交流分析心理学のジョーンズ博士は
怒りを5つの種類に分類し、
カウンセリングでの対処法を
論文にまとめました。
その5つとは:
1.子ども扱いされ、まともにとりあってくれなかった時に湧いてくる怒り(rage)
2.理解してもらえなかった時に湧いてくる苛立つ怒り (frustration)
3.他人が土足で、自分の大切な部分に入ってきたときに感じる怒り (anger)
4.ちゃんと教えてくれなかった、知らせてくれなかったことへの怒り (arguing)
5.それって間違ってる!とレッテルを張られたときの腹立ち (resentment)
(Joines, 1995)
なるほど、という感じですが、
そもそも
心が怒りでいっぱいのとき
冷静に怒りの理由なんて
考えている余裕はありません。
(考えれていたら怒らない)
しかも感情は嵐のように
数秒でやってきては消えていきます。
(長くても4秒!)
考える暇もありません。
さらに
今、自分が怒っていることさえ
気づいていないことが多い。
では、私たちはこの怒りの感情には
太刀打ちできないまま、
身を任せてしまうのでしょうか?
社会人として
「きちんとちゃんと」しようと
私たちはこの怒りを表現しないままになり、
(とくに日本の社会では
怒るとマイナスに取られやすい)
他の物や人にあたったり、
怒りを悲しみや恐怖という
全く違う気持ちで表したり
(ニセの感情)
さらには心にしまいこんでしまったり、
(ため込みすぎると身体症状としてだしてしまう!)
ちょっとまがった方法で
表現しています。
これを続けると
人間関係をこじらせたり、
身体的病気を作ってしまう。
でも、冷静な時に
自分の怒るパターンを知っておくと
必要でないいざこざ、
人間関係の泥沼化を
事前に防ぐことができます。
まずは、知識➝自己観察➝気づいて実践
さらに、上手に表現することで
自分へのストレスも減らすことが出来ます。
黙って我慢してしまう、
さらに悪いのは
気づかず無意識奥へと追いやってしまう、
そうなると心だけでなく身体症状(病気)として
出してしまうことになります。
<どうやって怒りをコントロースする?>
心が苦しくなる前に、
体をむしばむ前に
私達ができるこは、
まず、
①怒っていることに気づく
目くじら立てて「怒ってなんかいないよ!!」
と怒鳴っている人、まわりにいませんか?
私たちは意外と怒っていることに
気づかないことが多い。
簡単なのは体の緊張をいつも観察しておくこと。
怒りを感じると
呼吸が早く浅くなり、
心拍数が上がり、
体中の筋肉が緊張し始めます。
目に力が入り、
肩が凝り、便通がよくなくなり、
言葉づかいも変わってきます。
②どの怒りかを見抜く
次にちょっとした知識が役立ちます。
ムカムカと怒りを感じてきたら
自己成長のチャンスだと思って
まず自分の心を正面から
観察する癖をつけてみましょう。
理解されてないから?
まともにとりあってくれてないから?
相手が自分をコントロールしようとしてるから?
上の5つのカテゴリーが難しい場合は
2種類分類の方法でまずは練習します。
ポイントは怒りを感じる時間です。
何十分も、何時間もムカムカしているのは
心からのサインです。
何かが間違っている。
(詳しくはこちらhttps://vine-art.com/archives/1911)
それに慣れてきたら
5つのカテゴリーにトライしてみましょう。
③解決策を見つける
つぎに解決策です。
問題解決するには
怒りをぶつける他に
どんな選択があるか考える
冷静に伝える、
その場を去る、
ユーモアを使ってリフレッシュする、
などの代替案を日ごろから考えておく。
④どれを試すかを決める。
失敗は成長には欠かせません。
たくさん試して自分にとって相手にとって
ストレスのかからないベストな方法を身につけていくのが近道。
⑤素直に怒りを表現してみる
その怒りが正当なものであったら、
表現した後
嫌な気持ちを引きずることはありません。
そして、上手な表現法も身につけておきましょう。
人によっては、しっかり怒りを表現することも必要です。
ある人には、冷静に「私はこうゆうことで今腹立っている。」
ということを伝える。
(Goulding, 1973参考)
<感情の役割>
感情は時に私たちを悩ませる厄介者のように感じますが、
大切な大切な役割があります。
かつて私たちの祖先が危険に満ちた
大自然で暮らしていたころ、
天敵から身を守るため
空腹から逃れるため、
仲間からの協力を得るために
私達が進化させたもの、
それが「感情」だと言われています。
感情は、予期せぬ危険が降りかかってきたとき
瞬時に「いてもたってもいられない状態」に
自分を持っていき、
とっさに対応して危険を回避する役割がありました。
私たちの命を守り、
必要なものをいち早く知るために
進化の過程で必然的に生まれてきたのが
感情でした。
精神科医のハインリッヒ・クリューバーとポール・ビューシ―が
感情の本来の役割を確かめる
面白い実験をしています。
2人はサルの扁桃体を切除して
その行動変化を観察しました。
扁桃体は大脳辺縁系に左右2つある
恐怖感情を司る部位です。
扁桃体を切除されたサルたちは
通常恐怖を感じるヘビにたいして
攻撃されても恐怖を感じることができなくなっていました。
恐怖を感じなくなると、
身体的に傷つき
命に危険が及びます。
このように
それぞれの感情には命を守るために
かつては大切な役割があったのですが、
安全になった現代、とくに先進国では
だんだんと本来の感情の役割が薄れ、
違った使い方をされ、結果、
人間関係に亀裂や争いを
招くことが多々出てきました。
<怒りと現代社会>
とくに攻撃性のある怒りは
その使い方には気を付けなければなりません。
怒りはもともと
大切なものが奪われそうになったり、
目的を阻害されたり、自分の領域に入ってこられたときに、
自分を守るためのエネルギーでした。
動物の威嚇と似ています。
昔飼っていた柴犬のポチ。
自分が土に埋めた肉に近づいた人には
「ぐるるる~」と
飼い主に対してさえ戦闘態勢に入りました。
威嚇された方は
相手の怒りに対して緊張と危険を覚え
行動を変えます。
人間界でも怒りは
物事を変化貸せる力強いパワーがあります。
お母さんの一叱りで子どもたちは静かになり、
社会のために使うと、女性解放運動、革命や環境運動など
社会を変える力になります。
教育や社会変革に生かせる「怒り」。
その一方で
困った「怒り」が蔓延しています。
状況を悪化させ、
怒りが怒りを呼び、
敵や見方を作り
争いが始まります。
むかつき、いらだち、
ご飯も美味しくありません。
次の日まで、数か月、何年も持ち越すこともあります。
こういった「怒り」は
偽物の感情」といって
この場にはふさわしくない、
役に立たない感情です。
正しい場所ででてくる「怒り」は
問題解決ができ、役に立ちます。
危険を回避し、
他者と協力したり回避したりして
次の行動に向かっていい方向を創り出し、
新たな情報を効率よく得て学習し
実践する着火剤となり得ます。
まずは、本物か偽物か
見極めましょう。
脳も心も筋肉と一緒です。
鍛えていくことで向上します。
人格的な向上は肉体年齢とは比例しません。
いつも自分を見つめ、
知識を使って紐解き、
智慧としてまた統合していく。
この絶え間ない繰り返しが
人格的な向上へと繋がり、
自分だけでなく周囲をも向上させ、
新たな次元の世界を広げていきます。
さあ、今日はどんな感情が湧いてくるでしょう?
感情は一瞬ですが、生の自分と触れ合える瞬間です。
Enjoy each moment!
今日もここまで読んで下さってありがとうございました。