「薬膳小豆」を使って心身のバランスをとる方法

当たり前すぎて通り過ぎてしまう言葉の一つ「心身の健康」。これがあって人生を謳歌することができ、まさにウェルビーイングの基礎部分。ではどうメンテナンスするか?ここが難しい。世界中の医療や健康業界が日々研究を重ねている部分です。

というのも、人種、体質、住んでいる場所、季節、仕事の種類、性別、年齢など、その他たくさんの属性によってそのアプローチは千差万別だから。「こうすればいい」という画一的な方程式が存在しません。ある人には「納豆」が体を調えてくれる特効薬になっても、ある人には健康を害することもあります。春には改善を感じたのに、冬に試すと効果を感じることができなかった、ということもあります。一人一人の体質、体調、季節の移り変わりを見極めながらバランスを取る必要があります。

けれども、その中でもある大きな「ルール」は存在します。それを見つけたのが「アーユルヴェーダ」や「陰陽五行」、「中医学」です。現代医療と伝統医療の智慧を借りて、長寿時代の健康を保つ新しい「智慧」を作り出す時代かもしれません。

今日はその中で、日本の伝統食「小豆」のお手当をお伝えします。私も家族も、季節の変わり目や不調な時にずいぶんお世話になった日本の「薬膳」です。

薬膳としての小豆

薬膳として使う小豆は、疲労がたまってきた時、季節の変わり目の不調、だるい、やる気がでない、むくむ、手足や内臓や下半身が冷える、じんましん(抑える効果があるようです)、下半身の弱り、腰痛、下痢気味、腎臓病からくる不調、高血圧・低血圧、甘いものが止めれないとき、糖尿病、etc…

などの不調に有効だと言われています。

大切なことは「体の小さな変化、サインに早く気づいて早くお手当てすること」。早ければ早いほど回復が早いです。

小豆は、東洋医学的には「利尿作用」が高いことで有名で、尿と一緒に体内の毒素を排出し腎臓機能を早く回復させてくれると言われています。血液を浄化してくれるので、結果、肝臓も元気になり「疲れにくい」体を作ってくれます(特に春は肝臓が弱りやすいので春のお手当として小豆は大切)。

私の専門外ですが、現代栄養学の視点から見ると、小豆には「食物繊維(dietary fiber)」が多いことが特徴(ごぼうの3倍もあるとか)。最近では、食物繊維は「第6番目の栄養素」と称されるほど健康の維持増進に不可欠な成分として位置づけられて推奨されているようです。

食物繊維が腸内細菌を活性化し腸内フローラを調えることはもう一般知識としてずいぶん浸透していますね。また腸脳相関の研究もここ数年でずいぶん進み、ウェルビーイングの視点からも目が離せない興味深い分野です。

豆の豆知識

* 小豆の食物繊維は豆の中でも際立って多く、ゆでると食物繊維の量が乾燥の豆より1.5倍ほど大幅に増加する!という興味深い記事がありました(日本豆協会

* 豆に多い不溶性食物繊維は水に溶けないため水を吸収し数倍に膨れ、これが腸の「ぜん動運動」を活発にし、便が排出しやすくなる、有害物質の排出効果も考えられているようです

*最後に、ビタミンCが多いのもうれしいところです。小豆のビタミンCは「プロビタミンC」がという熱に強いもの。なので体を冷やさずにとることができます。ビタミンCの多い果物は果糖が多いため体を冷やしてしまいます。体の冷えは老化を早めます。そういう意味でも小豆は温めながら老化を防いで免疫力を高める魅力的な食材です。

薬膳「小豆茶」を試してみよう

薬膳としてよく使っている「小豆茶」をご紹介します。シンプルな材料と作り方ですが、食材を「薬」に転ずるには、材料の質、一つ一つの工程が大切になってきます。丁寧に作ると効果もあがります。お試しください。

<材料>
・ 小豆(1/4cup)
・ 水(小豆の4倍)
・ 昆布(3㎝角ほど)
・ 自然塩(適量、なくてもよい)

<作り方>
1.(前日の準備として)小豆をたっぷりの水に浸す(最低30min~1晩)
2.水をいったん捨て、鍋に昆布・小豆・水を入火にかける、沸騰したら中火、蓋なしで半量になるまで煎じる(40~50min)
3.濾して飲む(お好みで自然塩を加える)

*冷蔵庫で春夏は1,2日、秋冬は2,3日保存できます。

*1日1杯(100gほど)を7~10日続けて飲む(症状が重いとき、早く体質改善したいとき)

*寒い土地で取れた小豆ほど効果が高いと言われています。

*できれば無農薬をお薦めします。無農薬のものは土の栄養も随分違い、その効力は非常に高い。値段も高いのですが、医者代と思っていかがでしょうか。

*余った小豆は、ぜんざいや羊羹、おはぎになどに使ってください。症状回復をしたいなら食べない方が治りも早い(胃腸を休ませる必要があるため)

最後に、飲むときの「心」も(が)大切です。

まずは座って深呼吸。すべて忘れて、ゆっくりと、五感をフルに使って味わって飲みましょう。

初めはこれが難しく感じる方もおられるでしょう。でもこれがストレス・疲労の原因の一つ。「呼吸」に全意識を向け、少なくとも小豆茶を飲む間だけでも今日の予定、家族のこと、未来のことを忘れて「今ここ」をフルに味わってください。

ゆっくり飲むことで、リラックス神経と言われる「副交感神経」が優位になり、結果、消化力があがり、体温も上がり循環がよくなり、疲労回復を促してくれます。ちょっと手間がかかるように見えますが、長くお付き合いする体のお手当に少し時間をさいてみて下さい。

今日もみなさんの健康を心から祈って。ここまで読んで下さりありがとうございました。

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