ヨモギの匂いが体を調える、心も整える [ヨモギのアロマ効果]

ヨモギの匂い、
私はいつもこの匂いにホッとします。

実は、これは好みの問題ではなく、
人類に共通した理由がある
ということが科学的にも分かってきました。

今日はヨモギの匂いの
脳、体、心への影響と
日常生活への取り入れ方を
考察していきます。

<匂いが脳の活動に影響>

食べる、料理する、お風呂に入る、
電車にのる、lineする、映画を見る、
ニュースをチェックする、図書館に行く、、、

起きてから寝るまで
私たちは絶えず外の世界の刺激を
五感でキャッチし、
その情報を脳に送っています。

その情報の9割は視覚に頼っている人間ですが、
どうやら匂いも心の状態や体の調子を
大きく左右していることが分かってきました。

※ 睡眠中に嗅いだ匂いが心臓の鼓動や大脳の働きに影響あることが
研究で明らかになってきています。※1

※ 動物の中では嗅覚が退化したと言われる人間ですが、
なんと1万もの匂いをかぎ分けられると言われています。

※ 2014年3月のサイエンス誌に発表されたロックフェラー大学&ハワード・ヒューズ医学研究所の研究の発表によると、
1兆種類もの匂いをかぎ分けられる!とのこと!!

鼻の細胞(嗅細胞)の寿命は
2,3週間から1か月!
細胞の中ではかなり活発に入れ替わっています。※5
それほど大切、ということです。

鼻から吸った匂い成分は
脳を直接刺激します。

(口呼吸よりも鼻呼吸の方が大脳の働きに影響します。
なので、長く鼻が詰まっている時は早く対処を!)

五感のうち嗅覚だけが直接的に
大脳辺縁系に働くことができます。※1

ここは直接、
感情や情動行動に影響するところです。

良い香りを嗅いだ後に気分が晴れやかに
そんな経験ありませんか?

例えば
ラベンダーの匂い。

最近、お店の入口によく使われています。

ラベンダーは交感神経(緊張)の活動を抑え、
副交感神経(弛緩)の活動を活発にし、
心身のストレスを減らします。

体温が下がり、心がリラックスし、
食欲を上げることも報告されています、

グレープフルーツなどの
かんきつ類はその逆で、

食欲が抑えられ体温が上がり、
気分が向上します。
痩身にいいんですね。

香りを上手に使い分けることで
私たちの心や体を改善することに役立つ。

次に、今日の本題、
ヨモギの匂いをみてみましょう。

<ヨモギの匂いを科学する>

ヨモギの匂いは
ホルモンバランスを整え、
血流をよくし、
ストレスを減らし、
免疫力を高めるため
昔から医薬として重宝されてきました。

まだ使ったことはありませんが
ヨモギの精油も
最近見かけるようになりました。

ヨモギの匂いには
数種類の成分が含まれています。

その中でも代表的なのは、
βカリオフィレンとシオネール
という匂い成分です。

では、どう脳と心に影響するか
次に見ていきましょう。

<β‐カリオフィレン>

これはイランイランやラベンダー、
ローズマリー、シナモンなどの
良く知られている精油にも含まれる香り成分で、
アロマテラピーにも利用されています。

そしてなんと
マリファナ(大麻)にも含まれています。

でも、マリファナと違うところは、
高揚感をもたらしたり中枢神経には
作用を及ぼすことはないとのこと。※4

ヨモギを食べてもハイになったり、
中毒にはならないようですね。
よかった。

最新の研究ではβ-カリオフィレンには

痛みや炎症、骨粗鬆症、更年期障害、
マタニティーブルーやPMS(月経前症候群)
などの治療に効果的であることが分かってきました。

免疫をあげ、骨量を増やし、
痛みの信号を遮断することも分かっています。
※2※3

最近注目されている精油に
コパイバというものがあります。

これはアマゾン川流域に分布する木。
20~40mにもなる巨木だそうです。
匂いは「スパイシーでパワフルな香り」だとか。
こちらがその木

子の気にはヨモギの匂い成分と同じ
β‐カリオフィレンが多く含まれていて

古くから原住民の万能薬として、
肌のトラブルや芳香剤として、

また外傷や火傷、皮膚病、抗炎、鎮痛から
重い病気の治療薬として
使われてきたそうです。

こちらも薬用効果が期待されていて
エッセンシャルオイルとして商品化されています。
試してみたい精油の1つ。

<シオネール>

シオネールはユーカリや
ペパーミント、ティトゥリーと
同じ香り成分です。

ペパーミントやティトゥリーは
夏になると虫よけとして
私はよく使っています。

ヨモギと防虫菊の蚊取り線香もありますね。

殺虫剤を使わない安全な虫よけ対策についてはこちらを参照してみて下さい。
アロマで虫よけ、ストレス解消も一緒に!

ラットの実験では
痙攣を抑制し、気管支炎を抑制したり、
抗ウイルス作用も報告されています。

精神安定:脳神経を鎮静し、睡眠を促します。
ヨモギの匂いがホッとするのはこのためのようです。

消化酵素の分泌を促進し胃の働きを活発にするので
内臓全体が元気になってきます。
肝臓も助けてくれる。

抗菌・殺菌作用は若干弱めですが
ウイルス対策にも使えそうです。

<ヨモギを日常に取り入れる>

消化力を高め、免疫力をあげ
そしてストレスを緩和するヨモギ。

日常にちょっとずつ取り入れていると
体も心も知らないうちに整ってきます。

アロマや蚊取り線香だけでなく
食からも、匂いを味わいながら
ヨモギ団子やヨモギ饅頭、
ヨモギの味噌汁を楽しんだり、

ティータイムはヨモギお茶で一休み。
夜は時々ヨモギ風呂。

自然の力を使って
日ごろからのお手入れしておきましょう。

いつかヨガのクラスでも試してみたいと思います。

<体と心のワークショップ>

2019年8月6日(火) 夏のヨガ @ 宝塚
2019年8月3日(土) 脳と心のための勉強会 脳HOW @ 大阪梅田

詳しくはこちらを
Vine Art 学ぶ

※1 「香り」の科学(2017)平山令明著 講談社
※2 Shinohara, K. (2006). 機能性香料の開発:匂いによる月経前緊張症(PMS)の治療
※3 file:///C:/Users/kunikazu/Downloads/KJ00008903699%20(1).pdf
※4 https://www.pnas.org/content/early/2008/06/23/0803601105.abstract
※5 https://www.jschild.med-all.net/Contents/private/cx3child/2015/007403/002/0355-0360.pdf

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