心のリモコン
「プラーナ(呼吸)が動くとチッタ(心)も動く、ヴァータ(プラーナ)が動かないときチッタも動かない」(ハタヨガ・プラピディカ―)
呼吸と心は長年連れ添った老夫婦のように「あうん」の呼吸で響きあっています。「呼吸の動き」と「心の動き」お互いが呼応しています。とくに感情や気分は呼吸ととても密接な関係にあります。
興奮したりイライラしたり怒っているなど心が乱れている時は呼吸も浅く早く短く、反対に、落ち着いてリラックスしている時の呼吸は、自然と深く静かで長い呼吸をしています。
このコラムを読んでいるみなさんの今の呼吸はどんな呼吸をされているでしょうか?注意深く観察してください。慣れてくると毎回の呼吸の感覚が違うことも観察することができます。
自律神経をコントロールする2つの呼吸法
実験として、ご興味ある方は次の2つの呼吸法を試してみてください。所要時間は2,3分です。
背筋を伸ばし、椅子か床に背骨を伸ばして座り、目を閉じ、8秒で吐いて、8秒で吸う、これを1セットとしてを7セット行ってください。
この呼吸法のポイントは吐ききること。体の中に呼吸を残さず8秒で吐ききってください。終わったら、目を閉じたまま自然呼吸にもどし、その効果を全身で感じてみましょう。体の感覚、と心の感覚、両方で何かしらエネルギーの変化があることに気づかれるはず。
もう一つ、これとはまったく違う呼吸法を試し、2つを比較してみてください。
目を閉じ、下っ腹に力を入れたまま、「吸う吐く」を早めに強く深く連続して、30秒ほど行います。横隔膜をしっかり動かしてください。そして終わったら、また、体と心への影響を観察してみましょう。2つの呼吸法の後の、心と体の違いの大きさに驚かれると思います。
一つ目の呼吸法は副交感神経を高め、体と心をリラックスへと導き、落ち着いた穏やかな気持ちになり、一方二つ目の呼吸法は交感神経を高め、神経を覚醒し、パワーとやる気を起こす方法です。
古代インドのヨギーたちはこの呼吸と心の関係に気づき、呼吸をコントローすることで心をこのトロールする「調気法」のスキルを確立することにエネルギーを注ぎました。それがヨガの「プラナヤーマ」と呼ばれる呼吸法です。
プラナヤーマ
プラナヤーマは、プラーナ(prāṇa प्राण)とアーヤーマ(āyāma,आयाम)という2つサンスクリット語からできた複合語です。プラーナは「生命エネルギー(気)」、アーヤーマは「停止、留める、広げる」、つまり、プラナヤーマとは、単なる息ではなく、身体の内外に存在する生きるためのエネルギーを指し、大自然・宇宙の気(プラーナ)をどのように身体に蓄え活用するか、呼吸をコントロールする「調気法」を表しています。
洞察力に優れた古代のヨギーたちは、私たちの生命力は食べ物や空気だけでなく、それ以上の「根本的なエネルギー」が働いているからと気づきました。このエネルギーがなければ、食べ物や水があったとしても私たちは生きていけない。インド人はそれを「プラーナ」と呼び、中国の人たちは「気」と呼び、日本人の私たちもその概念を日本文化に取り入れてきました。
プラナヤーマには非常にたくさんの方法があり、基本をマスターするだけで10年はかかると師匠はおっしゃってましたが、一方、ほんの少しコツを知るだけでも、入院中の患者でもベットの中で実践でき、実際にその効果を感じることができるほど、どの人も恩恵を受けることができる技法でもあります。
一息入れたい午後、寝る前、また大事な仕事の前などには1つ目の呼吸法を、やる気が出ない日曜の午後などに2つ目の呼吸法、といったように日々の生活でほんの少しでも呼吸法を用途別に活用してみると、日常が楽に楽しく軽やかにストレスも少ない日々をクリエイトできます。
呼吸法は瞑想のために作られた
もともと呼吸法は瞑想をするために開発されました。古代のヨギーたちは、長く静かで安定した呼吸をすることで、心が安定し、瞑想に入りやすくなることを発見しました。ヨガではまず感覚器官を制御してから瞑想に入るのですが、その入り口として呼吸法を使います。目覚めてから寝るまで、目、耳、鼻、舌、肌、私たちの五感は外向きに情報を取り入れようと忙しく動いています。五感が動くと脳へ刺激が入り、脳も動き始めます。ぼーっと外を見てリラックスしているつもりでも、たくさんの色、音が脳へ入り、脳はその情報処理に休みなく働いています。
一日休まず働いている脳を意識的に休ませてあげましょう。正しい坐法で坐り、目を閉じ、呼吸に意識を向け(外向きだった五感が内へと意識が向かう)、数分間呼吸法を続けただけで、驚くほどの心の安らぎと落ち着きを感じることができます。
プラナヤーマはヨギーだけの特別な技法ではなく、日常生活のどんな場面でも誰でもできる優れた呼吸テクニックです。集中力、記憶力、持続力が長くなり、心の安定を得ることができます。また意識的な呼吸は身体的にも胸の臓器(心臓・肺・リンパ・気管・肺の動脈、静脈)や腹部内臓、ホルモン腺、脳神経を活性化するため、細胞も若々しく、肌もつややかに、目も透き通ってくると言われています。
是非、一日朝昼晩、仕事や勉強を始める前、終わった後に深く静かな呼吸をする時間を作ってみてください。これをまずは10日間、そしてまだできそうなら1か月続けてみましょう。そして3か月続けることができたら、それは習慣として体レベルでしみこみ、お風呂の時間や食事の時間のように、日常の一部として、体と心を助ける人生の薬箱として役立ちます。
今日もみなさんの健康を心から祈って
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