自然の美しさ vs. 人工の美しさ [ハイヒールの価値を見直す]

母と私と中3娘の3人で
ファッションについて話していた時のことです。

「真夏はノースリーブが一番!」と私。

すると母、「分かってるんやけど、どーしても恥ずかしくて着れへんわ。」(→関西人)

すかさず娘、「どうして?すずしいよ。エコだし。」

母「小さい頃、おばあちゃんに『女の子は肌見せたらあかん』って言われ続けてきたからかなあ。腕が細くなった今でもどーしても恥ずかしいわ」
→70歳手前になって若かりし頃くらいにスリムになった。

なんとなく分かる私。
唖然とする娘。

西洋の女性がコルセットで締め付けた
極細ウエストが美の象徴だった時代、

中国では歩行さえ困難な纏足(てんそく)が
美女だと信じられていた時代、
トイレさえ一苦労の十二一重の古典時代。

美を追求する女性のファッションは
ジェンダー問題とも切り離せません。

今現代もそれはどこかに残っている。
誰かが決めた「ちょっと窮屈な」「美」を
知らない間に疑問も持たずに続行していることが
あるはずです。

母のコメントを聞いて、
改めてジェンダー問題が私の中で
リバイバルしています。

今日はいつもと違って、食やヨガではなく、
ファッションから
「私」=「現代の女性」の価値観について、
2回に分けて、改めて考えたいと思います。

<ハイヒール、もってますか?>

結婚前と後とで大きく変わったことの一つに
ハイヒールを履かなくなった、
という変化があります。

職業柄、もともとはく必要がない環境だったことに加えて
子育てしてるとヒールは機能的でない!
走れない!足がだるい!腰が重い!

こんな理由から、(数少ない)ヒールが下駄箱から消え、
ブーツさえお蔵入りしてしまいました。

今は、美しさと実用性を兼ねた靴、
どんなに歩いても疲れなく、
でもどこにでもはいいける靴を愛用しています。
(アルコペディコやEarth shoesなど。)

私はずっと不思議でした。
何故、大人の女性は
歩きにくいハイヒールをわざわざ履くのか。

私が考えれるのは

「すらっと背を高く見せる」
「足を長く綺麗に見せる」

くらいでしょうか。
(他にあれば教えて下さい)

背が高く足が長いことが美のスタンダードになっている
現代には欠かせない条件ですが、窮屈極まりない。
機能的でないことは皆が認める点です。

ハイヒールが好きな子どもはいるんでしょうか。
少なくとも私の知っている限りはいません。
(キンンダーカウンセラーもしています)

まわりの大人が履いていて、
「この靴は綺麗にみせる」ことを教えられ
そして、ハイヒールを履いていると
なんだか大人の女性になった気分になり、
定着していく。

そして、社会に出た時に推奨されると、
ますますハイヒール=素敵な大人の女性、
という方程式ができあがって確固となっていったような気がします。

(でも、最近はフラットシューズが増え
価値観に幅が増えたのはうれしい。)

35㎝のウエストや小さい脚が美しいとされていた
時代と同じように、「ハイヒールが美しかった時代」も
過去の昔話と化すのも、もうまじかかもしれません。

さて、宿題のように頭の隅っこにおいていた疑問を
調べているうちに、いろんな面白い事実が分かってきました。

次にハイヒールを医学的にみてみましょう。

<美しさの代償は?健康と美どっちを優先?>

ハイヒールは何センチくらいの高さのこをと言うかご存知ですか?
私はしりませんでした。

辞典によると、ハイヒールとは
「7cm以上の婦人靴のかかとで、ドレス・アップするときに
用いるパンプスや、サンダルにつけられる。
背が高くなり、スタイルがよくなるが、歩行用には向かない。」
(世界文化出版局, 1999)ということだそうです。

ちなみに、米国ではパンプス、
イギリスではコート・シューズ
と呼び名が違います。

確かに歩行用には向きません。
前かがみになり、足腰に負担がかかり、
足が浮腫み、いい経験はありません。
「頑張ってはく」イメージがあります。

でも頑張ってハイヒールを履きつづけていると

足首がや膝のバランスが悪い人は、
足首を捻挫したりすることもよくあるようです。

その他、よく言われるのが、外反母趾。
(これは遺伝の場合も多いとのこと。)

次いで、むくみ、肩こり骨盤のゆがみ、
膝痛や股関節痛、腰痛、腱炎なども
長期使用で引き起こされる可能性が高まります。

参考:保健指導リソースガイド

美しさのためとはいえ、
その代償は大きい。

アメリカには
小児科や産婦人科と同じように
足の専門医、足病医(podiatrist)という専門医がいます。

ハイヒールが身体にどう影響するかの動画です。
英語ですが、キャプションや図解があり分かりやすい。

A podiatrist explains how high heels destroy your feet

ハイヒールがトレードマークだった
ヴィクトリア・ベッカム(Victoria Beckham)が
足の痛み・医師からの勧めで
脱ハイヒール宣言したのは記憶にあたらしいです(2011)

自身のブランドファッションショーでは
「もうハイヒールは履かない」とハイヒール卒業宣言をし、
スニーカーを履いて登場したのが話題になりました。

(日常生活でも12㎝のハイヒールを履くのが普通だったとのこと!)

ハイヒール。
医学的にみると、健康にはあまりいいものではなさそうです。
「自然の美」とは遠いのかもしれません。

では「体に良くないのは何となく知っている」
「履き心地悪いのも知ってる」
では、どうしてハイヒールを履くのでしょう?

こちらは、次回、
心理学実験と社会運動から
その奥にあるジェンダー(性差)の問題を
簡単に見て見たいと思います。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

<体と心のワークショップ>

2019年8月6日(火) 夏のヨガ @ 宝塚
2019年8月3日(土) 脳と心のための勉強会 脳HOW @ 大阪梅田

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