最近やる気がでない、だるい、疲れやすい。。。それって砂糖の取り過ぎかも!?

あけましておめでとうございます。
今年もこのコラムやワークショップを通して、
皆さんの脳、心、体の健康のお手伝いができるよう
務めさせていただきます。
一年またよろしくお願いします。

2020年最初のコラムは
砂糖が心に与える影響について
最新の研究からお伝えします。

クリスマス、忘年会、お正月、、
年末年始はごちそうオンパレードの日本。
みなさんの食事情はいかがでしたでしょうか?

「また食べ過ぎちゃった~」

平和な日本特有の言葉かもしれませんが
そうそう喜んではいられなさそうです。

百貨店、コンビニやスーパーで売られている
御惣菜には砂糖がたくさん使われています。

精製糖(白砂糖)を筆頭に
人工甘味料、
トレハロースなどの自然糖、
果物のフルクトースなど、
形は様々ですが、
糖分と外食は切っても切れない仲。

自分の糖分摂取量はどうか、
一度確かめておくことは
体の病気だけでなく心の状態を安定させる
対策になります。

<砂糖漬けになってない?白砂糖は上限一日○○gまで!>

白砂糖と身体疾患(糖尿、リューマチなど)の関連性は
以前より注目されていました。

2016年にはWHO(世界保健機関)も
慢性疾患や虫歯、肥満などの予防になるとして
「成人の1日あたりの砂糖摂取量はカロリーの5%(25g)未満が望ましい」と
ガイドラインを敷いています。

生活習慣病が広がる先進国では
砂糖摂取の自己コントロールは必須ですね。

では砂糖25gってどのくらいでしょう?
日ごろ料理をしている方だと察しはつきますが
少し分かりずらいですね。

砂糖25gはティースプーン約6杯。

WHOによると
スプーン一杯のケチャップには約4g、
炭酸飲料1本(350ml)には40gの
砂糖が含まれているそうです。

ちなみに、一般的な砂糖入りの缶コーヒーには
1本あたり15g。

つまり、炭酸飲料水一本飲むと
一日の砂糖摂取量を軽々超えてしまう、
ということですね。

怖いのは
砂糖は甘いお菓子やアイスクリーム、清涼飲料水
だけでなく、意外な所にも多用されている、
ということです。

ケチャップ、豆乳、パスタソース、レトルト食品、惣菜など
スーパーマーケットで売られている製品のうち
4分の3以上に砂糖が含まれていると言われています。

さらに外食のうどんやそばのつゆ、野菜のドレッシングなどにも
満足感とコスト面で多用されているのが現実です。

私たちは知らない間に
砂糖づけになっているかもしれません。

日常にひそむ砂糖、
もっと知りたい方は
TED-ED作成の動画をご覧ください。
とても分かりやすくまとめられています。

Hiding in plain sight

<砂糖の種類>

では、どの食品にどのくらい砂糖が入っているのか
どうやって知ることができるのでしょうか?

TED-EDの動画にもあったように
一言に砂糖といっても様々な名称があるため
裏の原材料表示を見て見ても
どのくらい食品に含まれているかを知ることは難しい。

乳糖、砂糖、果糖、麦芽糖、ブラウンシロップ
ブドウ、リンゴの濃縮液、ムスコバド糖、
異性化糖、ぶどう糖果糖液糖、コーンシュガー
(3つともコーンシュガーのこと。ややこしい!)
デメララ、トレハロース、フロリダクリスタル、、、、、

すべて体内に入れば、
ほぼ同じプロセスで代謝されるのですが

名称が違うために、
原材料表示もバラバラに書かれていて
糖分としての成分が長い名称に隠れて
分かりずらい状態になっています。

さらに、スーパーで量り売りされている惣菜、
外食の食品には表示義務がないため、
知るすべもなく。。。

こうして見て見ると、
外食をしていなくても、
いつの間にか25gをオーバーする毎日を
過ごしているかもしれません。

<砂糖が心へ及ぼす影響>

2020年1月に米誌Medical Hypothesesに発表された
米カンザス大学のReis教授の研究チームの研究では

砂糖と心的疾患(不安やストレス、うつ病など)
との深い関連が明らかにされました。

砂糖摂取が
アレルギーやぜんそくをはじめ、
糖尿病やリューマチなどの炎症系の疾患とも関連が深いとのことは
以前より指摘されてきましたが

さらにうつ症状の半数が
こういった炎症系疾患をもっているとのこと。

論文では砂糖はドラッグ(薬物)やお酒と同じく中毒性があり、
体重増加や炎症系の病気以外にも
不安やストレス、うつ症状を起こしやすいと指摘。

砂糖の基準値を超える摂取は
体だけでなく心へも影響していることに
警笛を鳴らす研究結果でした。

理由もなく、心がなえていたり、疲れていたり、
無気力が続いていたら、
砂糖摂取量を調べて見ると
そこに原因が見つかるかもしれませんね。

<砂糖の利点、欠点>

では、砂糖の何がよくないのでしょう?

「糖」といっても構造や機能の違いから、数多くのが存在しますが
ここでは特に精製糖(白砂糖)についてお話しします。

精製糖の利点は何を言っても
1.保存がきく
2.舌触りがよくなる(リカリとしたクッキー、ふんわりとしたパンやケーキ)
3.心身をゆるめてリラックス、多幸感

白砂糖は700年も前から存在するようで
当時は薬として少量使用されていたとのこと、
現代のように多用しはじめられたのは
イギリスの産業革命前後のようです。

何より大きなプラス面は
甘いものは食べると
心が緩んで、幸せ感を感じれる。

コミュニケーションの手段にもなりますね。
ちょっとお茶しませんか?
少なくとも女性には?魅力的な言葉ですよね?

でも、マイナス面が大きいのが砂糖の怖いところ。
薬膳座学でもお話している通り、
マイナス面は;

1.血糖値の急激な上昇と下降
2.中毒性
3.体からミネラルをとる

では、血糖値が上がると何が問題なのでしょう?

甘いもの限らず、人間は食事をすると
「血糖値(血液内のブドウ糖濃度)」が上がります。

食べた物は身体に吸収され、
ブドウ糖となって血液中に出てくるため、
食後の血糖値は上昇します。

でも上がった状態が続くと
血管に負担がかかるため

体は血糖値を下げようと、
膵臓からインスリンというホルモンを分泌し
血中のブドウ糖(血糖)が細胞に取り込まれ、
エネルギーとして利用・貯蔵されます。

ところが、
糖の砂糖は吸収が早いため
血糖値の急上昇を引き起こすと同時に
急下降させてしまうため、体に負担をかけます。

健康であれば
一時的に上がった血糖値は
数時間後には元に戻りますが

血糖値の乱高下はジェットコースター血糖とも言われていて
これが続くと細胞と傷つける活性酸素が大量に発生し、
動脈硬化、心筋梗塞、糖尿病の原因になっていると言われています。

また、「糖は糖を呼ぶ」という言葉があるように
またほしくなる、という中毒性も問題です。

体が欲しいのではなく、頭があの多幸感をまた味わいたい、
という欲求にかられるといわれています。

このように体に負担をかける過剰な砂糖摂取は
もちろん心にも大きな影響を与えます。

お正月が終わって、
体や心がだるかったり、疲れを感じている
でも、理由がみつからない、というとき、

砂糖の過剰摂取(中食・外食の量)をチェックしてみましょう。

では、どんな糖分をどうやってとればいいのでしょう?
砂糖の話題はつきませんね。
続きはまた。

引き続き今年もよろしくお願いします。

参考:

Daniel J. reis, Stephen S. Ilardi, Michael S. Namekata, Erik K. Wing, Carina H. Fowler. The depressogenic potential of added dietary sugars. Medical Hypotheses, 2020;134:109421.

WHO calls on countries to reduce sugars intake among adults and children

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