体の60~65%が水でできている私たちの体。
水分の取り方は私たちの体の質を大きく変えます。
どんな種類の水分をどのように取り入れるか。
今日は、日常の水分補給にどんな飲み物が適しているか、
最新の研究を交えて考えて見ます。
<喉が乾いたら水?お茶?コーヒー?>
水、お茶、コーヒー、紅茶、ハーブティー、
水分にもいろんな種類がありあすが、
みなさんはどんな種類の水分を
普段の飲み物として選んでいますか?
体質、体調、体重、運動量、筋肉量、性別、
さらに季節や住んでいる場所などによって
水分の取り方にはずいぶんと個人差が出てくるので
「いい飲み物」については特定しにくい。
1つのガイドラインとして
興味深い研究が2020年1月にヨーロッパ心臓病学会に投稿されました。
それは
「緑茶を飲む習慣がある人は
血管系の病気になるリスクが低い」
という研究報告でした。
これは
心臓発作や脳梗塞、ガンといった病歴がない
100,902人を約7年間調査した研究で、
週に3回以上お茶を飲む習慣のあるグループは
週に3回以下または全く飲まないグループよりも
心臓発作は39%、心臓病は56%リスクが低い、
こういう結果がでたとのこと。
※1
研究グループの考察によると
緑茶に含まれるポリフェノールが
作用しているのかもしれない、
とのこと。
緑茶にはカテキンと呼ばれる
ポリフェノールが含まれています。
カテキンにもいろんな種類があり
特に葉っぱ部分に含まれる
カテキンに作用が高く
発酵したウーロン茶や紅茶ではなく
発酵していない緑茶
(玉露、煎茶、ほうじ茶、番茶など)
に特にその作用が大きいとのこと。
でも、私が気になるのはカフェイン。
毎日飲むものにカフェインが多いのは
神経を鈍らせてしまう。
カフェインについてはこちらを参照ください
↓
私がコーヒーをやめた理由
緑茶のカフェイン含有量は
玉露で160g
煎茶20g
ほうじ茶20g
番茶10g
ちなみに
紅茶30g
コーヒー60g
カフェインは
脳の中枢神経を刺激して
覚醒作用、鎮痛作用、利尿作用をもたらすのが特徴。
簡単に言うと、
余分な水分を体内に出して循環をよくし、
痛みを和らげたり、頭をクリアーにするのが利点です。
薬にもなりえるカフェインですが
一定量を超えると毒にもなります。
そして問題なのはその中毒性。
WHOは
妊婦や子ども、高齢者はもとより
健康な大人も体重50㎏で一日2杯までを
現在推奨しています。
<お勧めの飲み物 – 三年番茶>
私は今現在お勧めしている飲み物は
白湯と三年番茶です。
三年番茶は番茶と違い、
3年以上育てたお茶の茎と葉を熟成させた後、
じっくり焙煎したものです。
番茶よりも長期間の熟成期間を経ることで、
カフェインなどの刺激物質が抜けます。
ビタミンも豊富である点を考えると
日常的な飲み物としてはお勧めです。
その他、薬膳としても利用できる
ハーブティーやどくだみ、ヨモギ茶なども
日常の飲み物としてお勧め。
ハーブティーについては過去のブログ
こちらを参照ください。
ヨモギ茶、どくだみ茶、ビワの葉茶などはこちらを。
最後に、白湯について。
白湯は消化促進効果が高い飲み物です。
10~30分沸騰させたものを
排泄の時間の朝に飲むと腸や腎臓を浄化し
体の毒素を取り除いてくれます。
詳しくはまた次回。
<緑茶と共に取りたいものーポリフェノールはどんな食品に含まれている?>
さて、緑茶に含まれるポリフェノールは
どんな物質なのでしょう。
ここからは科学的なことに
興味のある方だけお読みください。
体を酸化させ(錆びさせ)、
病気の元となる活性酸素。
(体の錆びが病気の元になる)
こういった有害物質を無害に変えてくれるのが
ポリフェノールです。
ポリフェノールは
植物が外敵から身を守るために作られる成分で、
虫や鳥がかんで嫌がるような苦みや渋みが特徴。
自然界に5,000種類以上もあると言われています。
(参考:健康長寿ネット)
緑茶に含まれるカテキンは
ポリフェノールの一種ですが、
お茶に限らず、
他の食品からも取ることができます。
代表的なものには、
豆類のイソフラボン
そばのルチン
ターメリックのクルクミン
生姜のショウガオール
玄米のフェルラ酸
ブルーベリーや赤ワインのアントシアニン
ect…
ポリフェノールの種類によって
効果も様々です。
主には
心臓、肝臓をまもったり
血管強化、血圧を調節し
動脈硬化などの生活習慣病の予防に
役立つと言われています。
そう、ポリフェノールは
私たちの体を調節してくれている
大切な物質。
<ポリフェノールの効果的な取り方>
ポリフェノールは水に溶けやすいため
短時間で効果を発揮しますが持続しないのが難点。
では、どうすればポリフェノールを効果的に摂取できるのでしょうか?
ポリフェノールは
摂取後約2時間で抗酸化作用が高まり、
4時間ほどで消えてしまうようです。
なのでこまめに取るのが効果的とのこと。
参照 https://style.nikkei.com/article/DGXKZO21365040R20C17A9W10601/?page=2
お茶はポリフェノールが日常的に取れると
体の健康維持にはとてもよさそうですね。
昔からティータームをとるという習慣は
世界中の文化で見られますが、
体の健康、そしてブレイクを取ってリセットする、
という意味で心の健康にも
理にかなった習慣なのでしょうね。
<あつあつは気を付けて!>
さて、私たち日本人にとって身近な緑茶は
ポリフェノールだけでなくビタミンやミネラルも豊富なので
とても親しみやすい健康促進薬になるようですが、
でも、あつあつの入れたてをぐぐっと飲んでしまうこと、ありませんか?
私はたまにあります。
これには最新の注意をしたほうが良さそうです。
60℃以上のあつあつの飲み物を飲むのを習慣にしている人は
60℃以下に冷まして飲む人よりも
90%も食道がんになる可能性が高い、
という研究結果が2019年5月に発表。
※2
これは
40~75歳、5万人を対象に10年間の追跡調査をした大規模研究。
熱いものがよくないことは
経験的に知られてはいましたね。
でも、今まで研究データはなかったとのこと。
ちなみに、お茶づけが習慣にある地域は
食道がんが多い、という話がありますが、
可能性はかなり高いようですね。
いいものでも、「どのように取るか」
その取り入れ方によって
体への影響がずいぶん変わってきますね。
何をどのように取るか
私たちも環境も常に変化しています。
自分の体と話し合いながら
良いと思って習慣的にしていることを定期的に見直す、
柔軟にしなやかに生きること、
健康に生きるためには大切ですね。
※1 Xinyan Wang, Fangchao Liu, Jianxin Li, Xueli Yang, Jichun Chen, Jie Cao, Xigui Wu, Xiangfeng Lu, Jianfeng Huang, Ying Li, Liancheng Zhao, Chong Shen, Dongsheng Hu, Ling Yu, Xiaoqing Liu, Xianping Wu, Shouling Wu, Dongfeng Gu. Tea consumption and the risk of atherosclerotic cardiovascular disease and all-cause mortality: The China-PAR project. European Journal of Preventive Cardiology, 2020; 204748731989468 DOI: 10.1177/2047487319894685
※2 Farhad Islami, Hossein Poustchi, Akram Pourshams, Masoud Khoshnia, Abdolsamad Gharavi, Farin Kamangar, Sanford M. Dawsey, Christian C. Abnet, Paul Brennan, Mahdi Sheikh, Masoud Sotoudeh, Arash Nikmanesh, Shahin Merat, Arash Etemadi, Siavosh Nasseri Moghaddam, Paul D. Pharoah, Bruce A. Ponder, Nicholas E. Day, Ahmedin Jemal, Paolo Boffetta, Reza Malekzadeh. A prospective study of tea drinking temperature and risk of esophageal squamous cell carcinoma. International Journal of Cancer, 2019; DOI: 10.1002/ijc.32220
<ワークショップのお知らせ>
2月14日 ママのための勉強会@東京武蔵野市内
3月下旬 春のヨガ@関西
3月下旬 日常で役立つ心理学勉強会@関西