全身の大掃除にはこの食材 ー薬膳としての葛 [葛断食]

ちょっと体が重い、だるい、疲れてる
風邪気味、昨日食べ過ぎた、

そんな時
私は時々「葛断食」をして
肝臓機能を高め体調を整えます。

<葛断食って?>

断食というと構えてしまう方もおられるかもしれませんが、
1~2日葛湯か葛練で過ごす食事です。
一食だけの時もあります。

食を断つ「断食」というより
「薬膳」と言った方が
とっつきやすいかもしれませんね。

食仕方は体調によって違います。
例えば

食べ過ぎ → 葛湯か葛練(葛+塩少々)
       リンゴ葛(リンゴかリンゴジュース+葛+塩)

体が重い、だるい、疲れている → 葛湯、葛練、
                 梅しょう葛(葛+醤油+梅干し++生姜汁+三年番茶)

風邪っぽい、咳がでる → 梅しょう葛(葛+醤油+梅干し++生姜汁+三年番茶)
             レンコン葛(葛+レンコン汁+醤油+生姜汁)

早めに対処すると大事に至らず
また葛は吸収がよく、お腹もふくらむので
空腹もあまり感じず過ごすことができます。

<葛で体の大掃除>

葛は消化器に負担をかけずに消化できるので
胃腸を休ませることができます。

断食と違って食べながら
掃除ができるのは魅力的ですね。

胃腸が休まると、
その他の臓器(循環器、呼吸器など)の
負担も自然と減ります。

肝臓を休ませ、体の浄化力を高めたいときは
夕食に葛を食べるのがお勧めです。

というのは
肝臓は日が落ちた夕方から動き始めるからです。

肝臓を休ませてあげることで
その消化・排毒のエネルギーを
細胞修復へと回すことができ
結果、体中の細胞を若返らせ活性化することができます。
(睡眠中に細胞は修復される)

高タンパク、高脂質、食べ過ぎの現代人の体内には
食べ物やそれに付随するもの(農薬、化学調味料など)が
老廃物として滞りがちです。

これらは慢性疲労、老化、様々な病気を
引き起こす原因にもなっています。

肝臓はこれら体の毒素を
排出するための浄化装置。

この機能を高めてあげると
血液の質と循環がよくなり、
免疫力もあがり
ストレスや病気に強い体ができてきます。

こういった老廃物を排出するには
まずは肝臓を休ませてあげることが先決です。

体は毎日でも洗えますが
内臓はなかなか洗えない。

葛断食をはじめ
効果的な断食は
体を綺麗にするだけでなく
体の細胞を若返らせ
気のバランスを整え
「元気」を与えてくれます。

<漢方としての葛のミニ知識>

葛は上薬(上品(じょうばん)」と言われ、
安全で効果的で誰も学使える薬として
古くから漢方の処方薬に使用されてきました。

有名な所では風邪薬の
「葛根湯(かっこんとう)」があります。

葛根を主にマオウ、ショウキョウ、ナツメ、ケイシ、
しゃくやく、カンゾウを配合し、煎じて飲む風邪薬です。

風邪の初期だけでなく、
麻疹(はしか)、急性中耳炎、
歯痛など発汗解熱剤として使用されます。

最近の研究でも葛には
とても広範囲で優れた効能があることが
徐々に明らかになってきました。

例えば

・更年期障害の症状を改善する効果

特に葛の花に含まれているポリフェノールの一種イソフラボンは
女性ホルモンのエストロゲンとよくにた働きをするようです。

エストロゲンは女性に月経をもたらし、女性らしい体つきや肌を作り、
骨からカルシウムが溶け出すのを抑える役目もあるようです。

残念ながら
エストロゲンは自分では作りだせず
年齢と共に減少するため
(40代より急に減少し始める!)
イソフラボンを補うことで
婦人系疾患の予防・改善ができるのではないかと
期待されています。

実際、
マウスの実験(卵巣摘出更年期障害マウスを使用)ですが、
葛抽出物を一日20mg/kgを8週間与えると、
大たい骨の骨密度減少がおさえられ
更年期障害の予防を期待できるという報告があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22053809

・血流改善効果

葛湯を食べるとお腹が温かくなりますね。

それは、
葛の中に含まれているサポニンという
血液中のコレステロールや脂質を運んで
血流を改善する成分がたくさん含まれているからです。

特に葛の根には血行を促進させる働きがあり、
風邪や胃腸が弱っている時、
悪寒がするときなどに利用できます。

また、子どもが小さかったり、年配で
薬を使わず安全に熱を下げたいときにも役立ちます。

特に陽性の熱(ほっぺが真っ赤になってフラフラしている)
の場合、リンジュースで葛を練って食べると、
負担なく熱が下がりやすくなります。

→子どもたちが小さい頃よく使いました。
ゆるやかに熱を下げ、体にも脳にも負担掛けず解熱。しかも子どもたちも喜ぶ、おすすめの解熱剤。

・肝機能を高める効果

特に葛の花は昔から製薬として肝臓の健康に使われてきました。

※葛の花の接種によって肝臓のダメージを示すGOT,GPTの値を改善、
 アルコール依存症の予防にも役立つという研究報告があります。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/18613661

花を煎じて服用すると、二日酔いなど酒毒にも効果的だと言われています。

・痩身

食事からとった栄養素はグルコースに変換され、体脂肪として体に蓄えられます。
葛の花にはサポニンという脂肪吸収を阻止する成分が含まれていて
体脂肪抑制に一役買うと言われています。

ウサギ(高脂肪食摂食肥満ウサギ)の実験では
葛を摂取させると、お腹の脂肪蓄積、体重増加も抑えられたといいます。
閉経後女性の肥満予防に役立つかも、と研究チームのコメントがありました。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22163294

・下痢

葛は下痢の特効薬にもなります。
詳しくはこちらを

腹痛、下痢が続いた時はこの処方箋!

日ごろの食事に葛を時々取り入れておくと
未病、病気の予防にもなりますね。

<葛の選び方~吉野葛と吉野本葛の違い>

では、いざ葛を買うとなると
本物の葛をスーパーで見つけるのはなかなか難しい。

私はスーパーに行くと必ず葛の材料項目を
チェックする習慣があります。

市販されているものを見て見ると
100%葛の製品よりも
ジャガイモデンプンやサツマイモデンプン
を混ぜたものが大半。

葛として売られているものには
2種類ネーミングがあります。

「吉野葛」
「吉野本葛」
です。

たった一文字「本」が入っているだけなので
初めは全く気づきませんでしたが
全く違うものになります。

何が違うかというと、

吉野葛とは、

葛デンプンを主原料に用い、
さつま芋から採取したデンプン(甘しょデンプン)を
混合したものをさします。

なので商品の一括表示に書かれている原材料名は
「葛でん粉・甘しょでん粉」です。
価格は手ごろです。

吉野本葛とは、
葛の根から採取した葛デンプンだけを原材料とし
寒水に溶かして精製したもの。

商品の一括表示に書かれている原材料名は
「葛でん粉」もしくは「くず粉」です。

こちらは値段も一品。
それもそのはず、
葛の根100㎏でたった7㎏しか取れません。

しかも栽培しても良質のものができないようで
現代でも山中に入って手で掘っているとか!

さらにその製法はとても手間暇がかかります。
(約400年前からほぼ同じ方法だと聞きます)

・寒水に溶かし、
・繊維の間に含まれたでんぷん質を越して
・また浸して越してを10回も繰り返し、
・そして最後に50日ほど天日乾燥。
(電気乾燥では良質な葛にならないとか。)

気の遠くなるような作業です。

手間も値段もかかりますが、
効能も十二分。
是非本物の葛を取り入れて下さい。

<葛のこぼればなし~アメリカでは迷惑雑草!?>

けれども、ところ変われば
この素晴らしい効能のある葛が
雑草扱いされているようです。

それはアメリカ。
初めは日本の観賞用植物として紹介され(1876年独立100年博覧会にて)
南部のとしてフェンスやポーチの鶴として利用され始めたのがきっかけのようです。

その後家畜の飼料として栽培され、土壌保全局も栽培を奨励。
でも、あまりにも増えすぎ、現在では国の強害草に指定されるまでになってしまいました。

葛はとても強い植物で
果樹や植林木に巻き付いて成長を阻害し、
生態系を狂わせているとのこと。

本葛が日本では薬として使われているのに対し
アメリカでは迷惑雑草になってしまった。

「物の見方」(認知)が
ずいぶんと「感じ方」(感情)と「行動」
そして「あり方」に影響するといういい例です。

葛好きとしては、もったいないなあ、と感じますが。

<年末ワークショップのお知らせ>

12月27日(金)ヨガ+座学 @ 宝塚 11:00~13:00

12月28日(土)ヨガ @宝塚 10:00~11:30

12月29日(日)新心理学講座ー心の栄養足りてますか?ー @ 大阪市梅田 12:30~15:30 ランチつき

12月30日(月)脳と心の勉強会 脳HOW 「睡眠力」@ 大阪 10:30~12:00

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