<葛で体を整える~肝臓浄化~>
葛は肝臓機能を上げる食養食材として
古くから使われてきました。
夏は熱を逃がし、冬は温めてくれ
温めすぎず、冷やしすぎず
ちょうどいい体温に調節してくれる
日本のスーパーフード。
夏は、リンゴジュース + 葛 + 寒天 + 仕上げに梅酢少々を入れると
さわやかなゼリーに。
甘酒わらびもちも美味しい。
カレーにいれると
陰の強いスパイスを中和してくれ、
葛きりは暑い夏も食べやすい。
冬はあんかけや、
葛を練って黄な粉をかけたり、
ゴマ豆腐やソースやペーストなど、
アイディア次第でバラエティーが広がります。
葛は葛根(かっこん)という生薬として
発熱、下痢、風邪、糖尿病、血管弛緩の治療に
使われてきた効果の高い漢方薬です。
肝機能を高める効果はよく知られていますが
特に葛の花のエキスは
肝臓ダメージを示すGOT,APTの値を改善、
アルコール依存症の予防にも役立つ
という研究も報告されてます。(※)
肝臓手当のため
朝は「葛」という時代がありました。
醤油、梅干しをいれたり、
リンゴジュースで練ったり、
きな粉をかけたり。
今は、朝はお白湯と薬膳茶のみで、
一日1~1.5食の生活になりましたが、
外食が続いたり、
内臓が疲労している時、
「葛湯断食」で体調整。
ご飯の代わりに葛湯で過ごしたり、
18時間空腹時間を作って
葛湯でしばらく過ごします。
<葛の効果>
葛にはたくさんの栄養が含まれています。
特にサポニン、フラノボイド、イソフラボンの豊富さは
注目に値します。
サポニンは血液中の脂質を減少させ
老化を遅らせる力があります。
イソフラボンは女性ホルモンのエストロゲンと
同じような働きを持つ成分です。
婦人系の疾患、トラブルの予防、改善に役立ちます。
フラノボイドは
血管を拡張させ体熱を放散させ、
体温調節をしてくれます。
微熱が続く風邪の初期に役立ちます。
また、自律神経を整えます。
交感神経が緊張している犬に
葛根を与えたところ、
その緊張が抑えられたとの
報告がありました。
確かに、葛を食べるとホッとしますね。
ちなみに
葛の英語名はプエラリア。
(葛、学名: Pueraria montana var. lobata)
葛に含まれているフラボノイドの一種
プエラリアには女性ホルモンと同じ作用があるようで、
更年期障害や美肌の効果が期待できるとのこと。
美容を目的にしたサプリもたくさん出ていました。
葛は女性には欠かせない食材ですね。
<まとめ>
まとめると以下のような効果が
期待できると言われています。
・更年期障害の症状改善
・子宮のトラブル
・骨粗しょう症を予防する効果
・血流改善
・解熱作用
・鎮痛作用(首・肩こり、筋肉痛、風邪、口内炎、胃腸炎)
・消化力アップ
・発汗作用
・自律神経調整
・ダイエット効果
・糖尿病予防
・血管疾患の予防
・血圧調整
・イライラ感の解消
・美肌、ダイエット
<葛と本葛の違い?>
葛の効果を得たい場合は
100%本葛を探してください。
吉野葛は有名ですね。
くず粉は精製にとても手間がかかる上、
60㎏の根から9gしか取れないので
値段は高額になります。
国産の100%葛粉で
相場がだいたい
1㎏で¥4000~6000もします。
国産小麦粉で1㎏¥500前後
有機小麦粉で1㎏¥1500円
こう考えるとかなりの高額です。
なので、馬鈴薯でんぷんを混ぜているものが
たくさん出ています。
ちなみに、馬鈴薯でんぷん(=片栗粉)はじゃがいもが原料で、
陰陽五行的には陰が強く、体を冷やします。
漢方にも使われるほどの効果が高い葛。
お財布と相談しながら、
本物を日常に取り入れてみましょう。
(※)葛の花のエキスを7日間肝臓障害を誘発したラットに投与したところ、血中のGOT(AST)の上昇が抑えられていることが確認されたとのこと。GOTは肝機能が正常に働いているかどうかの指標となる検査値です。
(Food style 21 10(11) 32-34, 2006)