明日、11月1日は国際ヴィーガンデーです。
国連など、公の国際機関によって
定められた公式な記念日です。
お肉も魚も乳製品も卵もハチミツも食べない
そして
革や毛皮も買わないヴィーガン(菜食主義)たちが
「世界の問題」を解決するため
全世界の個人や団体に呼び掛けるための日です。
野菜だけ、または野菜中心の食事法を
菜食主義、玄米菜食、ヴィーガン、
ベジタリアン、マクロビアン、ローフードなど、
いろんな言い方があり、はじめは??ですが、
それぞれの違い、考え方生き方を知れば、
世界が広がり、世界の見方が変わってきます。
この話はまた違う機会に。
さて、ここ数年、ヴィーガンやベジタリアンという
生き方が世界中で急増しています。
今日は、何故、今世界中で
ベジタリアンブームが起こっているのか、
日本にもこのブームの余波でもいいから来てほしいな、
という思いも込めて
世界のベジタリアン事情をお伝えします。
<欧米で急増するヴィーガン・ベジタリアン人口>
欧米ではここ数年
ベジタリアン、ヴィーガンが急増しています。
アメリカでは2009年時点で
ヴィーガン実践者は
人口のたった1%も満たない人数でした。
ところが2013年には2.5%、
2017年には6%(1920万人)にも増加。
現在2000万人のヴィーガンがいる
と言われています。
とくに若い世代に多いようです。
一方、
ヨーロッパでもヴィーガンが急増しています。
一番多いのは意外にもソーセージの国ドイツ。
人口の約10%、つまり10人に1人が
ヴィーガン・ベジタリアンだとか。
首都ベルリンでは15%
という統計があります。
すごい数です。
ベルリンは
「ヴィーガンが世界一住みやすい街ランキング」でも
常にトップにいる町。
数カ月前にベルリンに行く機会がありました。
確かに、外食してもスーパーへ行っても
何の不自由も感じないどころか、
ベジタリアンフードの種類の多さ、質の高さに
驚かされました。
チーズの国スイスも実は多く、
人口の約15%がベジタリアンです。
イタリアも負けてはいません。
イタリアも人口の12%が
ヴィーガン・ベジタリアンと言われています。
2016年トリノ市では、肉消費縮小の提案書を出したり、
政府レベルでも動きがみられます。
欧州でもっとも肥満率が高いイギリスでも
ベジタリアン人口が
ここ10年で3,6倍になっています。
オーストラリアでは人口の約11%。
ビーガン・ベジタリアン関係の食品が
この2年間で2倍近く上がっています。
世界で一番多いのはインド。
人口の38%がベジタリアン!
https://www.worldatlas.com/articles/countries-with-the-highest-rates-of-vegetarianism.html
台湾はアジアの中でもベジタリアンが多くいる国。
人口の13%が菜食です。
仏教に由来した「素食」文化が普及しています。
ちなみに日本のベジタリアン人口は4.5%だそうです。(2017)
ベジタリアン・ビーガン旅行者の評価も低かった。。。
4.5%というと
人口1億2000万人のうち
540万人がベジタリアンということです。
精進文化がある日本、
もう少しベジタリアン人口が多くてもいいかな。
このほか、韓国、スリランカ、トルコなども
ヴェーガン料理を楽しめる国は意外と多いようです。
<何故ヴィーガン・ベジタリアン?>
ほとんどのベジタリアンは
1.「健康のため」
2.「環境のため」
が主な理由です。
その他には、
3.地元の農業を支えるため
4.動物の飼育環境や愛護的な理由
5.宗教的な理由、価値観
などがあります。
参考:
Vegan society
<1.健康のため?>
アメリカの死因第一位は
心臓疾患です。
高脂肪の動物性食品が
心臓疾患や糖尿病と
深く関わっていることが
近年、科学的に証明されています。
たくさんの呼び掛けにより、
ヴィーガン・ベジタリアン・和食への
関心が非常に高くなってきています。
ヨーロッパも同じような背景があります。
そして、日本。
日本も
高タンパク高脂質の食事がメインになってきた戦後から
生活習慣病やガンが急増しています。
もともと少量の魚と
たくさんの野菜が中心だった
日本人の体は悲鳴をあげています。
世界無形文化遺産として
栄養的にも美的にも世界に認められた日本食。
アメリカの国立歴史博物館「スミソニアン」にも、
日本食を母体としたマクロビオティック食の貢献が
永久保存されています。
もう一度、お味噌汁とご飯。
日本人が日本食を見直す時期が
来ているのではないでしょうか。
<どう体に負担がかかるのか?>
①栄養学的な理由
動物性食品には繊維が含まれず
脂肪や塩、糖分多く含まれています。
消化に時間がかかり胃腸に負担がかるので
意識して野菜を多くとり、
消化を助けてあげる必要があります。
一方、
大豆や穀物由来の植物性食品には
そういう問題はありません。
②化学的な理由
動物は人間よりも体温が高いため動物の肉を食べると、
人間の体内で脂肪がたまりやすい傾向があります。
(平均温度は、鳥:42℃、豚:39℃、牛:38.5℃)
http://sugawara.co/column/?p=3331
③東洋医学的な観点、陰陽的な理由
肉、卵、チーズなどは
もともと植物があまり育たない
乾燥地・寒冷地の食べ物。
つまり体を温める性質があります。
高温多湿の日本で常食すると、
夏でも体温を下げることができません。
そのため体を冷やすため
極陰性の食品(アイスクリームやスパイス、アルコール)
が欲しくなり、多食を招きます。
その結果、
心臓や血液循環に負担がかかります。
こういった健康への配慮が
海外でヴィーガンやベジタリアンが増えている
一番の理由のようです。
身近にある、日本食、もう一度見直す
いいきっかけになりそうです。
環境問題や動物愛護の問題はまた次回に。