梅雨・夏の食事と過ごし方が「若さ」を左右する

蒸し暑い日本の夏を「元気」に過ごすには、ちょっとした智慧とコツを知っていると大きな差が生まれます。今日は、今から訪れる長い夏を快適に過ごす方法と、夏の食べ方を、アーユルヴェーダ・ヨガの智慧、ヨガ講師歴25年の私の経験も含めてお伝えします。

夏の消化力が将来の健康を左右する:アンチエージングは夏!

日本の夏は、暑さと湿度、さらにクーラーによる寒暖差で体への打撃は想像以上に大きいです。体がだるく、頭もぼうっとし、やる気も出なく、睡眠も不十分で、朝の目覚めも悪く、朝から疲れていることありませんか?これは夏バテのサイン。早めに対処が必要です。

夏は一年の中で一番消化力が落ちる時期である、とアーユルヴェーダでは考えられています(Caraka Saṃhitā)。「しっかり食べないと」と、精力をつけるために無理してエネルギー値の高い食べ物を食べてしまっては、かえって胃腸を疲れさせ、消化できなかった毒素(アーマ)を体に残すことになってしまいます。

消化力が低下すると、代謝もできず、体に栄養がめぐりません。その結果、血液や組織も質のいいものが作られず、体と頭の体力が落ち、結果、免疫力までも落ちてしまいます。

この時期に、疲れたな、と思ったらまずすることは、食べることではなく、「消化力を取り戻す」こと。そのためにすることは、ちょうど私たちが疲労したときに睡眠が薬になるように、「消化器官をお休み」させてあげることです。

そのためには、食事を断つ「断食」が一番早い道ですが、ハードルが高い場合は次のような方法でやってみましょう。大切なことは精神的に負担をかけずに消化力を高めること。もちろんやる気があれば断食を試してみてください。※本断食は指導者のもとで行ってください。また身体疾患をお持ちの方は医師に相談後行ってください。

・小食にする(あっさりとしたお腹に重くないもの)
・一食スキップする
・お白湯(ごくごく飲まず、すするようにゆっくり飲む)
・消化力を高める食材を選ぶ(次にお話します)

その他、大切なチェックリスト:
□ 食事の前に必ず自分の体に聞いてあげてください。「今お腹すいてる?」と。
□ 朝の排便があったかどうか?(質と量のチェック)
□ 質のいい睡眠をとれたか?

もし便秘がちなら、消化力が落ちている可能性が大変高いので、上のような方法で消化力を高めてください。睡眠が浅い場合は、薬なしでも睡眠がとれるよう環境と習慣を変えましょう(今、日本では5人に一人が不眠といわれています。このことについてはまたの機会に書きたいと思います)季節ごとの体の浄化も大切です。いつも体の外も中も綺麗に。

夏を快適に過ごすための食事・食養生

● スパイス

私は基本的には身土不二(その土地でとれたものを食べる)ことをお勧めしていますが、必要な時はそうでないものも取り入れています。その一つがスパイス。日本の土着のものではないスパイスですが、消化力を上げるために大きな力を発揮してくれることもあります。

消化力を高めるスパイスとして代表的なものは、ブラックペッパー、クミン、ジンジャー。食べる数十分前に、生姜スライス(塩ひとつまみ+レモン汁をかける)を食べるのも消化促進に役立ち、アーユルヴェーダ的にはおすすめです。

● 朝がゆと甘酒

朝がゆ消化器官を強くし、体力をつけ、食欲を増やし、お腹のガスを抜き、便通をよくします。どうしても食欲がない朝は、10倍がゆに乾燥生姜と自然塩を少し入れて、上澄みを飲みます。便通がよくなり、気力と体力が戻ってくるのを感じます。

お粥は禅宗でも進められていて、10の功徳(粥有十利:しゅうゆうじり”)があるとされます。夏の朝はパン食からお粥に変えてみるのもいいですね。

さて、朝がゆは「むくみ」や「ひどい倦怠感」がある時は、食べにくい食材です。そんな時は甘酒を試してみましょう。甘酒は「飲む点滴」と言われるほど、大変栄養価の高い日本の智慧の塊です。必須アミノ酸をすべて含み、ビタミン、ミネラル、酵素、食物繊維が豊富、体内への吸収率は90%もあり、体力回復に最高の食材です。レモンを足して食べると、より食べやすいです。注意:体温より冷たいものは要注意。免疫力が下がると言われています。

甘酒の過去の記事です

○ Appetite.2. 夏の食~甘酒

その他の梅雨と夏に必須の食養についての記事

梅雨の快適な過ごし方~食べ物でカラダの毒をとる

夏のためのヨガ:中枢神経・胃腸のためのヨガ

夏のヨガは「中枢神経」を中心に行います。激しいパワーヨガは避けましょう。体力を消耗させずに、ヨガの呼吸法とアサナ(ポーズ)を使って、中枢神経にある視床下部にターゲットを置き、ホルモンを活性化し、自律神経バランスを整え、消化力に働きかけましょう。特に身体を冷やす呼吸法は体の熱を摂ったり、クーラーで冷えすぎた体を内臓からほんのり温め役立つ方法です。

梅雨と夏は一年で一番体力が落ちる時期ですが、逆に言えば、この時期が一年の健康の鍵を握ります。夏の間に、セルフケア―をしっかりし、体から老廃物がたまらない生活を続け、消化力をキープしておきましょう。次の夏も消化力・体力・免疫力が落ちないまま迎えることができ、細胞も衰えず、これがアンチエージングにつながります。夏の消化力ケアー、先人の智慧を使って、やってみましょう。

今日もみなさんの健康を心から祈って。

●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●

【ウェルビーイングのための心理学】

このコースは「この人生、最高だった!」と人生最終日に胸を張って言うため、「心理学」の智慧を使って今の人生をもっと豊かにしていくための勉強会です。

前半Part1は「自分を豊かにする心理学」。じっくりと「自分」そして「人間」の特性(感情・思考・行動など)について、ウェルビーイングについて、そして自分の過去とこれからの在り方について、「心理学の知」を使って学んでいく全8回。

後半part2は「人間関係」を豊かにする心理学。Part1で学んだ知識を生かして、では他人とどう交流していくか?豊かなかかわり方、関係性の中でどのように生きていきたいか、心理学の知を使って細かく分析・解析しながら、日常生活に落とし込み、人生を深く見つめていく時間です。

公認心理師がナヴィゲーターとして、少人数の中身の濃い時間をお届けします。アーカイブ受講、単発受講もできます。詳しくは下記をクリックしてください。

【オンラインヨガ】

ご自宅で本物の古典ヨガに触れることができるオンラインヨガ。

月に3回、3種類のクラス、特別プログラム(不定期に開催&パッケージ)を自宅で受けることができます。

季節、体調にあった食事法や日常生活の過ごし方などもお話しています。

詳細は↓

【心理カウンセリング】
公認心理師による心の相談室
詳細は↓


 

The summer in Japan brings not only heat and humidity but also significant temperature differences caused by air conditioning, which can have a greater impact on the body than you might imagine. You may feel sluggish, have a foggy mind, lack motivation, experience insufficient sleep, have difficulty waking up in the morning, and feel tired from the start of the day. These are signs of summer fatigue, and it requires early intervention.

According to Ayurveda (Caraka Saṃhitā), summer is considered the time when digestive power is at its lowest. If you force yourself to eat high-energy foods in order to boost your vitality, it will actually tire your stomach and intestines, leaving undigested toxins (ama) in your body.

When digestion weakens, metabolism suffers, and nutrients do not circulate properly in the body. As a result, high-quality blood and tissues are not produced, leading to decreased physical and mental strength, and ultimately, a decline in immune function.

When you feel tired during this period, the first thing to do is not to eat but to “restore digestion.” To achieve this, it is important to give your digestive organs a break, just as sleep acts as a remedy when we are fatigued.

One way to do this is through fasting, where you abstain from eating. However, if that seems challenging, you can try the following methods to enhance digestion without causing mental stress. Of course, if you are motivated, you can attempt fasting. Note: Please consult with a guide or instructor before attempting a full fast. If you have any medical conditions, consult with a doctor beforehand.

・Eat small portions (light and easy-to-digest foods)
・Skip one meal
・Drink warm water (sip slowly rather than gulping it down)
・Choose foods that enhance digestion (we will discuss this shortly)

Here are some other important checklists:
□ Always check in with your body before meals. Ask yourself, “Am I hungry right now?”
□ Did you have a bowel movement in the morning? (Check the quality and quantity)
□ Did you get a good quality sleep?

If you tend to experience constipation, it is highly likely that your digestion is weakened. In that case, use the methods mentioned above to enhance your digestion. If you have shallow sleep, consider changing your environment and habits to improve sleep quality without medication (currently, it is said that one in five people in Japan suffer from insomnia. I will write about this topic in more detail on another occasion).

関連記事

  1. 鎌倉ヨガ [ 目の浄化、心の浄化]

  2. ウィルス対策 ~ 夏はやっぱり梅酢うがい!

  3. ヨモギ茶、柿の葉茶、ビワ茶、どくだみ茶、トウモロコシのひげ茶…

  4. カパラバティ呼吸法で脳も内臓も肌も輝き始める

  5. 梅肉エキス1グラム [小さじ一杯]でも冷え性に効果? 肌艶の…

  6. ヨガ と この食材 で スッキリ お腹 [便秘3]

  7. 鎌倉 ヨガ [ 睡眠 の質を高める ポーズ とは? ]

  8. お酢で肝臓手当 [体のデトックスをアップさせる酢の効力と使い…

  9. 美容も台所から [ココナッツオイルとごま油でマッサージ]

  1. 2024.04.17

    この方程式は「あなた」にも当てはまる?「人のつながり=幸…

  2. 2024.03.20

    今の私は過去の記憶でできている?

  3. 2024.03.06

    呼吸は「心のリモコン」:2つの呼吸法で日常をコントロール…

  4. 2024.02.20

    脳と心に刻まれた「愛の形」と「過去の記憶」:脳と心は過去…

  5. 2024.02.16

    たった3分の呼吸法・リラックス法が脳と心を変化さす

  1. 2020.05.01

    5月9日はオンラインヨガクラス

  2. 2019.11.26

    心理学・アートセラピーの年末ワークショップ

  3. 2019.10.31

    脳HOW no.6.「睡眠力」

  4. 2019.07.17

    Women’s Life はじまります!

  5. 2019.05.05

    no.5. 脳HOW

  6. 2019.02.04

    第5回 脳HOW 腸=脳=心

  7. 2018.12.22

    「ママのための勉強会 in 東京